前回のつづき。。
さて、イースターが終わると今度は、東京ディズニーランドで「ディズニー夏祭り」が始まります。
東京ディズニーシーでは、2013年から「ミニーのトロピカルスプラッシュ」が行われていました。
まずは、TDLの夏祭りから。
キリストの復活を祝うイースターを終えると、すぐに仏様をまつる行為とされている、「お祭り」が始まります。
「ディズニー夏祭り」は2012年から行われています。
浴衣や甚平に扮したミッキーたちが夏祭りを繰り広げます。シンデレラ城前を舞台としたこのショーですが、付近には提灯の装飾が施されたり、フードワゴンでは日本のお祭りの大定番、ラムネが販売されたりします。
和風とはかけ離れたイメージのパークに和風テイストを追加するという試みはとても斬新なものだと、わたしは感じました。
このシーズンに、パークに足を踏み入れると、和太鼓の音や「わっしょい!」といったかけ声が聞こえてきます。
やっぱり、日本人は和太鼓の音やこのかけ声を聞くと、ついついわくわくしてしまいますよね。
「わっしょい」の言葉の語源は、「和をしょう」、つまり「和(やまと)を背負う」ということだそうです。ディズニーのパークの中で「和を背負う」なんてなんだかイメージがつながらなくて面白いですよね。
もっとも不思議なのは、この和洋な絶妙なミックスを、ゲストがさらっと受け入れていることだと思います。「夏祭り」の音源も、英語の歌詞と日本語が混ざり合ったような歌詞になっています。
Get down happy NATSU MATSURI
踊ろう、たのしい夏祭りだ
Live, dance, play make this summer your story
ライブして、ダンスして、この夏を君のものにしよう
I wanna see you dance, that's NATSU ODORI
踊ってみせてくれよ、それが夏踊りさ
The fever makes you dance and scream
この灼熱の中、踊って叫びたくなるだろう
NATSU MATSURI is the brand new thing
夏祭りなんて初めてだ
Lift you off your feet with our summer fling
この夏の開放感に、足を跳ね上げて
Shake it in the heat, come dance with me
最高潮にシェイクしよう、僕と踊ろう
〜省略〜
Get up, get up let me see you move your body
立ち上がって、身体を動かしてみせて
Smile jump, hands up! We're making this our party
笑って跳んで、手をあげて!僕らでこのパーティを作るんだ
Here on the streets, everyone comes together
この場所で、みんな一緒さ
NATSU MATSURI let's stay like this forever
夏祭りは永遠にここにある
It's MATSURI TIME
これこそ、祭りタイムだ
やっぱり日本人は、夏といえば「お祭り」ですよね。
その文化的なイメージをうまくパークに取り込んだなと感じます。夏とは誰もが開放的になる季節なので、そこにお祭りと水浴びを合体したショーを作れば、コンテンツとしてもゲストをたくさん呼ぶにはもってこいのイベントになるわけです。
これまでも、過去には、ナイトショーでは、パイレーツオブカリビアンのショー「ウェットアンドワイルドパイレーツナイト」、「クラブ・モンスターズ・インク」、リロ&スティッチをモチーフとした「ミッドサマーナイトパニック」など、お昼にショーでは「クールザヒート」と、ゲストが水浴び出来るサマーエンターテイメントを行って来ましたが、「ディズニー夏祭り」の開催期間は、6年と「クールザヒート」同様に長くなっています。
これは、水浴び=夏=お祭りという3要素が、日本人には一番しっくりきたから、ではないでしょうか?しっくりくるということは、ゲストをわくわくさせやすいということです。結局は血には逆らえないということです。
そういう意味ではOLCはうまく日本人の需要と季節をマッチさせたといえるでしょう。
和洋がまざった歌詞といえば、東京ディズニーシーのドッグサイドステージで行われている「テーブルイズウェイティング」にも、和洋ミックスの歌が登場します。
世界各国の食事を紹介するこのショーでは、日本のお弁当を紹介するセクションで、この歌が登場します。
Japanese o-bento box is filled with lots of fun
日本のお弁当箱には、たのしみがたくさん詰まってる
Goofy is a working sample DOPPIN SHAN so tasty DON DOKOSHO
グーフィが実物大でどっぴんしゃんと見本を見せるよ、どんどこしょとおいしくなるだろう
Nothing could be more convenient when you're on the run
急いでいるときには、これ以上に便利なものなんてないさ
Take your pick from delicacies DOPPIN SHAN
どっぴんしゃんな御馳走からひとつ選ぶんだ
Don't be hasty DON DOKOSHO
どんどこしょと急がなくていいよ
Color, flavor, texture, all are there for you to chew
色、味、食感、全部君のためにある
CHU CHU CHU
じっくりと噛んで
When you take a bite of this and
一口食べると
That you'll find it's difficult to make up your mind
決められなくなっちゃうよ
On your favorite one
どれが一番かなんて
なんだか聞き覚えのある単語が紛れ込んでいますよね?
「どっぴんしゃん」や「どんどこしょ」という単語で思い浮かぶのは、もちろん童謡の『ずいずいずっころばし』ですね。
この歌は「どっぴんしゃん」や「どんどこしょ」という単語がなくても、成り立つにも関わらず、わざわざこの単語を登場させています。
なんと言ってるか分からない英語の歌詞の中に、聞き覚えのある単語が混ざっていたら「お!?」と興味がわいてしまいますよね。こういうところでうまく英語と日本語を“利用”しているわけです。客席にも「わっしょい」のかけ声を言わせて盛り上げるこのセクションは、うまく日本人の心を捕らえていると思います。
さて、TDSの夏イベントにつづく。。