Dマニアブログ

Dマニアブログ〜翻訳から見るディズニーの世界〜

英語と日本語の翻訳的観点から、ディズニー映画の分析、ディズニーランドなどアトラクションの分析、海外ディズニーパークのレポートなどをしております。

ディズニーについて、映画分析、アトラクション分析、イン日記まで色んなこと書いてます。

時々、ディズニーの音楽の訳詞したり、アトラクション説明の訳したり。

アニメや漫画のはなしなんかもしたり。

海外パークと東京ディズニーリゾートの比較なんかしてみたり。

 

【ディズニー事情】日本のFantasmic!/海外と比べても最高な理由⑵【ディズニーブログ】

mandy227.hatenablog.com

つづき。。。

 

 

それでは2つ目について。

日本は、広大な敷地があるわけでもないですし、花火を何発もあげれるような地域でもありません。

それではどうやって日本のショーはあそこまで魅力的になっているのでしょうか?

ファンタズミックは、ミッキーが魔法使いの弟子になったときの、帽子型の映像スクリーンを機転に、ショーが演出されています。

 

この帽子が、映像スクリーンになっていて、時には帽子、時にはプライドロックのサバンナに、時にはシンデレラのドレスにも変貌します。

場所を取らず、シンプルな機材ですが、360度スクリーンのためどこからでもショーを楽しめますし、三角の形状を色んなシーンを表現するために活用するとはよく考えられています。

また、アラジンのパートで登場する円形の球形スクリーン。いくつかがフロートに乗って登場するためそれは水晶のようにも見え、"The Whole New World"のシーンでは、ロマンチックに、"Friend Like Me"のシーンでは、魔法を彷彿とさせるような効果があります。

いくつか出てくるため、海の外周どこにいても見ることができますし、この2つは日本ならではの演出です。

アナハイムやオーランドでは、ファンタズミックはアメリカ川で行われますが、日本では敷地の関係か、アメリカ川でショーを行うことは出来ませんでした。

そこで、360度を土地で囲んだ、東京ディズニーシーの海で上演されることになりました。

円形の敷地を生かした日本人ならではの演出が、敷地が狭くても感動をおとらせることなく、ゲストの胸に「イマジネーション」を広げることができるよう作用しているのでしょう。

 

 

また、少し余談ですが、「ナレーション」について少しだけ。

日本のファンタズミックは始まる前に、このショーについてのナレーションが英語で行われています。オーランドのファンタズミックではショーの冒頭に、

Welcome to Fantasmic! Tonight, our friend and host Mickey Mouse uses his vivid imagination to create magical imagery for all to enjoy. Nothing is more wonderful than the imagination, for in a moment, you can experience a beautiful fantasy or exciting adventure. But beware, nothing is more powerful than the imagination, for it can also expand your greatest fears into an overwhelming nightmare. Are the powers of Mickey's imagination strong enough, and bright enough, to withstand the evil forces that invade Mickey's dream? You are about to find out. For we now invite you to join Mickey, and experience Fantasmic! a journey beyond your wildest imagination.

ファンタズミック!へようこそ。今夜は、わたしたちの友であり、案内人のミッキーマウスが鮮やかな想像力を使って、みなさんがたのしめるよう、魔法のひと時をお送りします。イマジネーションほどすてきなものはない。イマジネーションはあっという間に、みなさんは美しいファンタジーの世界へ連れて行ってくれますし、ワクワクするような冒険をさせてくれます。でも、気をつけて。イマジネーションほど強力なものも他にはありません。みなさんの心の中にある恐怖をかきたて、恐ろしい悪夢に誘ってしまうかもしれません。ミッキーのイマジネーションには、彼の夢を侵略する邪悪な力に立ち向かう強く輝く力があるでしょうか? みなさんの目で確かめてきて。それでは、みなさんをミッキーのところへご案内します。終わらない夢の旅、ファンタズミック!へお連れしましょう。

 

というナレーションが入ります。 日本では、このナレーションはショー開始の5分前に、このナレーション(内容はほぼ同じですが、少しだけ省略されたもの)が入ります。

ショーの5分前ということと、英語でのアナウンスということもあり、日本では聞き逃してしまいがちではないでしょうか?

では、日本のゲストたちはどうやってこのショーのコンセプトを知るのでしょうか?

それは、ミッキーの台詞です。

ミッキーは、ショーの要所要所で、ここが彼の夢の中で、いつの間にか彼の夢が悪者に侵略され、それを彼のイマジネーションの力で勝つ、というストーリーを説明してくれています。

しかし、この想像力とはなんなのか。どういう脅威を引き起こすことがあるのか、という一種の教訓のようなメッセージがこのナレーションがないと汲み取れないように思うのです。

 

では、日本で、このナレーションが日本語でアナウンスされたとしたら?

そうすると、少し情緒がなくなってしまい、ショーの物語に入りにくくなってしまうような気がしますよね。。

 

そこで、日本人の「察する力」つまり「イマジネーション」の出番なわけです。ナレーションがなくても、このショーがどういうストーリーなのか。どのようなメッセージが隠されているのか。それを見出すことがまた面白いわけです。

 

 

このように、日本には日本ならではの演出がなされているんですね。つまり「日本向け」に少しアレンジされているわけです。

その土地に合った、その土地の需要に沿った姿で、その土地のゲストたちに受け入れられています。

普段、たくさんの感動をくれるショーやパレードをこのように、日本人としてたのしんでみるのも面白いかもしれません。

 

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