以前の記事で、ディズニーリゾートの“待つ”文化についてお話しました。
その上で、今やパレードが偶然見られるものではなくなっていきている、ということが分かりました。
いつからか、東京ディズニーランドには、たくさんの「ぬいバ」(ぬいぐるみバッチ)や、キャラクターの缶バッチをカバンにつけている人が多くなりました。
いつからか、「私はこのキャラクターが好きです!」と主張するように、ひとつのキャラクターにしぼってそのキャラクターのグッズを身につけている人が多くなりました。
パレードやショーを鑑賞するときも、自分の好きなキャラクターのフロートが止まる「停止位置」を把握し、そのポジションを何時間も前から確保する人が増えて来ています。
つまり、ミッキーの乗っているフロートの「停止位置」がシンデレラ城前だった場合、シンデレラ城前のエリアで、何時間も前から待っている人たちの多くが、ミッキーの「ぬいバ」や缶バッチに埋もれたカバンを持っているというわけです。
では、なぜこのようなゲストが増えているのでしょう?
これには、“コレクション精神”が関係していると、私は考えます。
ディズニーリゾートに遊びに来ている人たちは、楽しむことを目的にしていることが前提としてありますね。しかし、私も含め、“コレクション精神”を発揮しているゲストたちは、楽しむことはもちろん、その先を目的としてパークに足を踏み入れているのではないでしょうか。
何時間も前からベストポジションでパレードを待ち抜いて、お気に入りのキャラクターのベストショットが撮れた瞬間。
お気に入りのキャラクターの新作「ぬいバ」をゲットできた瞬間。
そんな瞬間を求めて、パークにやってくるゲストが増えて来ているのは事実ではありませんか?
パレードやショーはもはや楽しむためだけではなく、ゲストがオリジナルショットを手に入れる場所へ、季節限定「ぬいバ」はただ可愛いだけでなく、ゲストのコレクション精神を満たす品へと、少なからず需要が変化しているように思います。
楽しむことはもちろんなのですが、自分の好きなキャラクターのグッズを集めたり、写真を撮ったり、それらを同じキャラクターのファンたちと共有したりすることで、自分がパークに行く新たな目的を作り、ディズニーを自分のアイデンティティの一部としているのではないでしょうか。
もっと言ってしまえば、自分の集めたグッズや撮ったキャラクターの写真を周囲に認めてもらいたい、というような気持ちも少なからずわいているような気がしています。
ここまで含めて“コレクション精神”なのでしょうし。。
「痛バ」(痛いバッグ、ぬいバや缶バッチで埋め尽くされたカバンの通称)を持っている人々がたくさんいるのは、アメリカのパークでは見られない風景でした。アメリカ人は、単純に楽しむことを目的として来ている人しかいないように思いました。
ではなぜ日本では、この「痛バ」文化が浸透したのでしょう??
つづく。。。