【ディズニー事情】パークの四季折々⑶【ディズニーブログ】
つづいて、東京ディズニーシーの夏イベントです。
2005年より「チップとデールのクールサービス」、2011年、2012年は「サマーオアシススプラッシュ」、 2013年より「ミニーのトロピカルスプラッシュ」が開催されています。
「ミニーのトロピカルスプラッシュ」に注目してみると、このショーの内容は、「果物の豊作をお祝いしよう」というもの。一種の「収穫祭」のようなニュアンスでしょうか?
フルーツを育ててくれたミッキー、ドナルド、グーフィなどの男性陣に、ミニー、デイジー、クラリスの女性陣が、カーニバルクイーンとなって感謝するカーニバルを開催します。
昔こそ、日本では農業の収穫を祝って、収穫を喜ぶ催しは、一般的に行われていましたが、今や収穫祭という行事はあまりなじみ深いものとは言えないのではないでしょうか?
もちろんお祭りをする意味のひとつに「収穫を祝う」というものは含まれていますが、収穫出来た喜びを実感してお祭りに参加している人は、少ないのではないでしょうか?
それでは、ディズニーは「収穫祭」をなぜ持ち出して来たのでしょう?
また、「カーニバル」というモチーフを持ち出していますが、そもそもカーニバルとは、謝肉祭のことで、キリスト教において、四旬節の期間(イエスの受難を分かち合うとして、厳粛に過ごす期間、断食を行う信仰者もいる)が始まる前に行われる祝祭のことです。復活祭の46日前にあたるため、2月3月に行われているものですので、夏にカーニバルというのは少し違和感を感じます。
また、男性が農家で働いて、女性がそれを感謝する、という構図はなんだか不思議な感じがしますよね。日本の歴史では、男性は外で労働をし、家事のひとつである農作業は女性の仕事であるはずですから。アメリカでも、この区分はありましたが、農業は主に、女性とアフリカからの奴隷の仕事でした。そのため、日本の方がよりいっそう男女での労働区分というものは、はっきりしていたように考えられます。
それが、逆になっているというのは、日本の歴史を学習してきている純日本人のわたしにとっては、なんだかちょっと不思議な感じがしてしまうんですね。
「収穫祭」といえばアメリカでは、〝Thanksgiving Day〟(感謝祭)が大きな行事として知られていますよね。
この日の起源は、アメリカに渡ったピューリタンたちが、最初の収穫を喜んだことにあるそうです。それから、収穫によって生き延びられることを神に感謝して御馳走をふるまう、というしきたりが変化して行って現在の Thanksgiving Dayがあるとされています。
今や、宗教的な意味合いは薄れており、家族や友人で集まって御馳走を食べる日、と言った感じです。
しかし、アメリカ人にとってこの日は、1年でとっても大事な日であり、仕事はどこももちろん休みですし、色んなことが感謝祭に向けて動いていたりするんです。日本でいう元旦、三が日のようなニュアンスですね。
ディズニーランドでももちろん感謝祭のイベントが開かれており、Thanksgiving のパレードも行われ、この日はパークが相当混雑するみたいです。
日本では、「収穫祭」も「謝肉祭」もほとんど意識されることはありませんが、「夏」「フルーツ」「カーニバル」「トロピカル」「スプラッシュ」という単語は、なんとなく開放的な印象がありますよね。
夏である、ということと、これらの開放的なモチーフを上手くミックスしたのが、「ミニーのトロピカルスプラッシュ」だと考えられます。
伝統や宗教的なことが背景にあっても、それを気にせず、イメージだけでここまでの要素をミックス出来るというのは、ある意味、日本ならではの強みなのかもせいれません。
あまり意識せずに、イメージや印象でショーを楽しむのもいいのですが、こうして意味を考えてみると、日本ならではのショーの工夫や需要を考えることが出来ます。
次の記事は、ハロウィンについて言及したいと思います。。。