。。。前回のつづき
やり過ぎ③
ジュラシックパークでのストリートショー「ダイナソー・パニック」。これは、エリア内を施設から逃げ出した恐竜たちが歩き回るというショーです。突然、パーク内に警報を鳴り響いたかと思えば、恐竜たちがエリアを闊歩し始めます。レストランの中でもおかまいなしに、食事を邪魔する勢いで恐竜たちが迫ります。食事を邪魔されたくない人たちにとっては「ありえない」ショーかもしれませんが、それを「ドキドキ」を与えるために「やり過ぎ」なエンターテイメントショーとしてスタートしたのがこのショーです。
やり過ぎ④
アトラクションが「やり過ぎ」ているならば、もちろんフードもやり過ぎています。「世界のお祭りフードでやり過ぎよう!」というキャッチコピーのもと、「RE-BOOOOOOOORN マーケット」というフードストリートが展開されています。例えば、ターキーレッグを購入した際、ルーレットを回してそれが当たれば、超ビッグサイズのターキーレッグに交換できるという「やり過ぎターキー」。そしてもうひとつ、「やり過ぎ自販機」。
これは、自販機のボタンが大人でも届かないほどの場所にあるので、それを友達と協力して(肩車や、おんぶなど。。?)購入しよう、という企画ものの自動販売機です。これは、「やり過ぎ」てますね?(笑)とても危険な「遊び」です。もしも、安全面を最重要としている東京ディズニーシーでしたら即刻ボツになるような案です。
しかし、この「やり過ぎ」な刺激が、心を高ぶらせ、元気にさせてくれているのではないでしょうか?
結論として、わたしは個人的にですが、ユニバーサルスタジオジャパンが「勝利」すると考えています。
それは、入場者数など数値化される「勝利」ではなく、イベントの展開方針としての「勝利」です。
ここで、両パークを比較してみましょう。
まず、キャッチコピーからして全く違いますね。内容は、ワクワクする、ということは同じとも考えられますが、形式は全く違います。
東京ディズニーシーはなんだか長くて、結局何が言いたいかわからないようなキャッチコピーです。イベント内容を見ても、”Wishの力”、”クリスタルの力”など、ふわっとしたイメージしか浮かばない単語が多いような印象です。
一方で、ユニバーサルスタジオジャパン。
とてもシンプルで、わかりやすいです。
また、内容を見ても、シンプルなキャッチコピーにぴったり合った「やり過ぎエンターテイメント」であることがわかります。またユニバーサルスタジオジャパンが狙っている年齢層(おそらく子供から40代くらい)にとって、夏に向かって行くこの季節から始まる期間限定イベントとして、「ぶっ飛び」、「はっちゃけ」などのイメージは、ぴったり当てはまっていると考えられます。
キャッチコピーに始まり、これまで紹介したアトラクションを比較しても言えることですが、東京ディズニーシーの傾向として、安全面や、子供向けを重視しすぎるあまり、保守的で受け身なイベント、企画が多くなっているように思います。「クリスタルの力」によって”Wish”は簡単に光輝いてしまいます。
つまり、ワクワクする時間=挑戦する時間もないまま「願い」、「夢」が叶ってしまうのです。
ここでの”Wish”=「ワクワクする気持ち」はとても表面的なものだと言えるのではないでしょうか?(もちろん、わたし自身、ディズニーの音楽やキャラクターのエンターテイメントに心動かされてはいますが。)
一方で、ユニバーサルスタジオジャパンの「やり過ぎエンターテイメント」は「やり過ぎ」と言っているだけあって、刺激的で自分が発信するタイプの企画が多いことがわかりますか?
自分が挑戦しないと、魔法をかけることが出来なかったり、恐竜が触れるくらいの近さまで襲ってきたり、小さな危険をおかして自動販売機でドリンクを購入したり。。とても能動的ではありませんか?
能動的な体験にこそ「ワクワク」と「ドキドキ」はつきものです。それが、表面的ではなく「心の底からはじけき」るということなのでしょう。
このような視点で比較したところ、よりリアルな「ワクワク」を提供出来るのはどちらか、という問いの答えはユニバーサルスタジオジャパンなのではないか、とわたしは考えます。
15周年イベントに向けて、いくつもの新アトラクションを導入したのも戦略的に勝利していますし、東京ディズニーシーは、例年のイースターイベント、ハロウィンイベント、クリスマスイベントetc。。の一種としてとらえられてしまっている節があることも弱点だと考えられます。
さて、それではどちらがあなたの「勝者」になるでしょう?
ぜひ、今年一年で両方に足を踏み入れ、あなたの「勝者」を見極めてきてください。
——「ナマ身でぶっ飛べ」